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山下和仁+NHK交響楽団演奏会レポ

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【写真1】ギター協奏曲第2番「恋すてふ」演奏前のステージの様子


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【写真2】会場の客席の様子(お客さんは500名ほど)


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【写真3】チェロ協奏曲「木々はみな緑」演奏前の様子



6/22(火)に、あの世界の山下がN響と藤家溪子の《ギター協奏曲第2番「恋すてふ」》を演奏したのを聴いたのでレポ。 (巻物注意!一部敬称略)


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Music Tomorrow2010
2010.6.22.(火)
東京・東京オペラシティ コンサートホール
S席:5,000円/A席3,000円/自由席1,000円

<プログラム>
山根明季子 / 水玉コレクション No.06 [N響委嘱作品/世界初演]
藤家溪子 / ギター協奏曲 第2番「恋すてふ」 作品60 (1999)
サリネン / 室内楽 第8番 作品94「木々はみな緑」(2009)[日本初演]*
ダルバヴィ / まなざしの根源(2007)[日本初演]

指揮:パスカル・ロフェ
ギター:山下和仁
チェロ:ピーター・ウィスペルウェイ*
管弦楽:NHK交響楽団

主催:NHK、NHK交響楽団
助成:(公財)三菱UFJ信託芸術文化財団
協賛:みずほ証券株式会社、株式会社東芝
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「恋すてふ」は、1999年に作曲された尾高賞受賞作品で、作曲者の藤家さんは山下さんの奥様です。
尾高賞は毎年選定されるようだが、今年は受賞に値する作品が無かったので、過去の受賞作品の中から藤家さんのギター協奏曲が選ばれて、再演されたとの事。とても名誉な事だったと思われる。

曲目解説によると、この曲は「百人一首に出てくる壬生忠見の和歌にちなんだやわらかい響きの音楽との事で、山下和仁というギターの名手を念頭に作曲され、恋はじめを歌った句に重ね合わせたのは(作曲者藤家の)山下への想いだったのだろう。」との事。(注:カッコ内NAO追加)
実際に藤家と山下は結婚した。なんと素敵なエピソードを持つ曲なのでしょう。
ちなみに「恋すてふ」は「こいすちょう」と読む。昔むかし、「てふてふ」と書いて「ちょうちょ」と読んでいたのと同様のようですね。


今回の演奏会は、公演の10日ほど前に、何気なくネットサーフィンしていて偶然見つけたもの。本当にたまたまだった。
私の周りには、ギター好きがわんさか居るが、誰からもこの情報は入ってこなかった。


平日の夜、場所は新宿・初台の東京オペラシティホール。
開演の19時までに会場に行けるのか?いや、私の職場から定時に退社しても、幾ら頑張っても決して間に合わない。絶対に間に合わない。
でも、行きたい。

何と言ってもあの、世界の山下が日本最高峰NHK交響楽団とコンチェルトを弾くのだ!これを聴かずして何を聴くと言うのだ。
しかも、チケット情報を見ると、何と自由席がたったの1,000円。山下とN響が1,000円ですよ!(但し、良い席は5000円もする。)
後先考えずに、気が付いたら翌日には1,000円チケットが1枚手元に来ていました(笑)。


で、実際に聴いてきました!
当日は、会社を速攻で定時であがり、2回ある途中の乗り換えも走って移動し、開演10分後の19:10頃に何とか会場に到着した。
1曲目の開演時間には間に合いませんでしたが、山下の登場は2曲目だったので何とか聴けました。

久々に聴く山下の協奏曲。前回聴いたのはいつだろう?
もしかしたら25年ほど前に新宿(だったかな?)で聴いた、読売交響楽団とのベートーベンのヴァイオリン協奏曲<ギター版!>以来だったかも。

山下さんは、白いカッターシャツと黒のスラックス姿で、指揮者とともに軽い笑顔で登場。ギターはもちろん愛器ラミレスだ。
ギターとオケの共演の場合、いつも気になるのは音量問題だが、山下は世界屈指の大音量の持ち主なので、それ程心配はしていなかったが、果たして・・・。

ギターは会場一杯に十分に鳴り響いていました。会場のオペラシティは定員約1600人と言う大ホールだが、生ギター1本で響かせること自体が難しいと思われる会場で、オケに埋もれることなくきれいに聴こえました。
これだけ大きなホールで、オーケストラと共演してもそこそこ普通に聴こえるギタリストって、やはり山下以外では考え難い。

それ程強いタッチで弾いているようには見えなかったが、ハーモニックスの一音一音までがクリアーに届いてきました。
音色も変幻自在、最近の山下さんが到達した悟りの境地とも言える、あの美音がふんだんに聴けました。そして力強いフォルテもオケとの掛け合いでも十分に対抗できていました。

この人が弾くと、ギターの音色が魔法のように様々に変化します。
決して真似は出来ませんが、イメージだけでも現在取り組んでいるブローウェルの舞踏礼賛の参考にしたいと思います。
あと、山下の演奏聴いていつも感じるのは、ギターを弾く事そのものの技術的な苦労がほとんど感じられない点です。
超絶的な物凄いテクニックを持っているのだが、それらは全て自分の音楽表現に捧げられている、という感じ。

だからギターの演奏にありがちな、難しいところでテンポが落ちたり、逆に楽なところは走ったり、ポジション移動で間があいたり、指の都合で変なルバートが掛かるということがほとんど気にならず、音楽そのものに心をゆだねる事が出来る。ミスタッチも全くと言って良いほど気にならなかった。
やはり、山下は天才。日本が世界に誇れる演奏家、音楽家の一人だと思う。


N響の演奏の素晴らしさについては、もう改めて何も言う事が無いかと思いますが、今回の演奏では珍しく少しアラが見えた。
曲目が、普段弾きこんでいない現代曲と言う事もあると思うが、特にトランペットなどの管楽器に吹きミスがチラホラ。そうは言いましても、弦などは美しく、全体的には及第点の演奏だと思います。ただ、コンサートマスターがいつもの人じゃ無かったような・・・。


藤家さんの作曲した《ギター協奏曲第2番「恋すてふ」》は1999年の作品で、2000年の尾高賞受賞作品。
初めて聴く曲だったが、正直まったく期待していなかった。
今回は、曲を楽しむと言うより、山下のギターとN響の響きを楽しめれば良いかな、と言う感じであった。

と言うのも、藤家作品は山下に捧げた数多くのギターソロの曲を、何曲か聴いたことがあるが、良いと思った曲はほとんど無かったからだ。
今年の2月に久々に東京でソロコンサートやった時も、藤家作品が何曲か弾かれたが、良いと思った曲は残念ながら1曲も無かった。
それよりも、むしろ娘(小学生?)の山下愛陽の作曲作品が良いと思ったほど。
私の中では、もう藤家作品を弾く事は、山下の才能の無駄遣い(失礼)とさえ感じられていた。


ところが、今日聴いた《ギター協奏曲第2番「恋すてふ」》は、とても良い作品だった。
現代曲に良くありがちな、不協和や奇をてらった音形やリズム等は無く、何とも美しい響きがあった。
山下のギターにより、曲の美しさが一層際立つような音楽が生まれていた。曲の全体構成は確かに現代曲なのだが、どこか懐かしい感じがした。
藤家さんは、この路線で行けば一般の聴衆にも、もう少し評価されると思うのだが・・・・。

この曲は間違いなく良い曲です。藤家作品で初めて良いと思える曲に巡り会いました。
12分ほどの長さの単一楽章の(多楽章なら連続で弾かれる)曲であったが、もっともっと弾かれても良い、後世に残るような傑作と言っても良い曲ではないでしょうか。
アランフェス協奏曲の第二楽章のような明確なメロディを前面に出すのでは無く、和音の響きや音の重なりを生かすような、夢心地のようなふわふわ感のある曲でした。響きが新鮮でしかも耳に心地良い音楽でした。
ただ、曲が短いので、この曲を第二楽章として、これから第一楽章と第三楽章を作曲し、全三楽章の古典的協奏曲に仕上げてみるのも面白そうだな、と思った。

尾高賞を受賞するだけの事はあるなと思いました。しかも藤家さんは1995年に続いて、この曲で2度目の尾高賞作品だけに、よっぽど良い作品でないと2回は受賞できないと思いますので。


ギターとオケのバランスについては、全くと言って良いほど問題なく良好なものだったが、本当に完全に生(PA無し)だったかは不明であった。
というのも、山下の足元の床に、平面ピックアップマイクのようなものが吸盤のように置かれていたからだ。
それ以外にもコンパクトなスタンドマイクが1本設置されていたが、このマイクはチェロ協奏曲の時にもあったので、明らかにTV放送収録用と思われた。しかし、ステージ上にスピーカーらしき物は無く、音そのものが非常に自然な音だったので、PAを使ったのかどうか最後まで不明だった。

この、床に直置きの平面マイク(と思われるもの)は、以前、岡本拓也君がちょっと騒がしい会場で弾いた時に使っていたようだったので、今回も同様のPAだったのかと言う気がした。岡本君の時は左右の大きなスピーカーから音を出していたが、今回はスピーカーお存在は確認できなかった。

但し、岡本君の時は、設定があまり良くなかったのか、高音部でハウリングみたいなノイズがわずかに感じられたが、今回の山下の場合は、全く自然な音が響いていた。今回、もしPAを使っていたとしたら、このPAはかなりお勧めできる。ギターの自然な音を損なうことなく増幅できていた事になるので。


この日は、実質チェロ協奏曲であったサリネン作曲の「木々はみな緑」も演奏されたが、軽くギターの2倍はあろうかと言う音の大きさが有った。
恐らく、ギターが山下でなかったら、その差は3倍にも4倍にも感じた事と思われる。
しかしこの日は、チェロなど他の楽器と並んで、協奏曲楽器としてギターが十分に存在感を発揮できる事を改めて確認した演奏会であった。


この日の演奏は、後日NHKでTV放送されることが、会場に掲示されていたので紹介します。今回生で聴き逃した方々には朗報です。
NHKのHPでは、全ての曲が一時間枠で放送されるような書き方だったが、全曲を1時間では収まらないと思うので、曲によっては抜粋されるのかも知れない。

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・7月25日(日) NHK 教育「N響アワー」 21:00~22:00
・8月1日(日) NHK BShi「クラシック倶楽部」 06:00~
・8月6日(金) NHK BS2「クラシック倶楽部」 10:00~
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「Music Tomorrowミュージック・トゥモロー2010~明日の音を奏でる~」
~2010.6.22.東京オペラシティ コンサートホールで収録~
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【藤家渓子wiki】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%AE%B6%E6%B8%93%E5%AD%90

【山下和仁wiki】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E5%92%8C%E4%BB%81


以上。
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