スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

山下和仁ギター・リサイタル

P5110190.jpg
【写真1】開演を待つお客さんの様子。(会場の佐倉市民音楽ホール)

P5110185.jpg
【写真2】ロビーでは山下さんのCDが多数並べられており、かなり売れていました。

P5110186.jpg
【写真3】ホールへの入り口付近。


昨日12/18(日)、久々に山下和仁のリサイタルを聴いてきました。
久々と言っても、数年前に新しいマネージメント会社と契約後は、ここ数年毎年1回は東京公演を聴いていたので、最近は毎年のように年に1回は聴いていた。昨日聴いた曲目はかなりマニアックなものとなっていた。


前半の第1部は、奥様である藤家溪子さんの作品「ギターソナタ第1番”青い花”」の演奏にあてられていた。1曲で約40分にも及ぶ大曲で、オリジナルのギター独奏曲としては、世界最長の曲かも知れない。
いやが上でも、聴衆に忍耐力や緊張感を強いられる曲である。せめてもの救いは「青い花」が難解な現代曲では無く、親しみやすい響きを持っていた事。
そうはいっても、やはりあちこちで居眠りの気配が・・・・(笑)。日曜日の昼間に聴くには酷な選曲ではなかっただろうか。
このような曲ばかり弾いていては、ただでさえ少ないクラシックの聴衆が更に少なくならない事を願うばかりだ。

15分程の休憩をはさんで後半戦、第2部に突入。


後半1曲目は藤家編の「アメイジング・グレイス」は、ゆったりテンポで、かみしめるように弾かれた。
編曲も奇をてらったところは無く、ごく自然な響きの中に、新しい響きをちりばめたような感じで好感が持てたが、ちょっと退屈だったかも。もう少し盛り上がりが欲しいな、と思っているうちに静かに終わってしまった。

続くエルガーの「愛の挨拶」は、息子さん(長男)の山下光鶴さんの編曲作品。
十分にコンサートピースになるしっかりした編曲であったが、これば母親の藤家さんや父親の山下さんのアドバイスがあったのかも。
テンポを極端に落として、完全なスローバラードとして演奏されていた。山下さんのふくらみの有る美しい音と、流れるような自然なフレージングが心地よい。
しかし、山下さんが弾くとどんな編曲でも、山下ワールドとなって展開するのは、演奏者の技量があまりにも大きいためか。

藤家作品の「寂夜」を挟んで、最後はバッハの無伴奏チェロ組曲全曲。プログラムを見たとき、もっとも期待された曲目であった。
果たして、演奏は期待通りの素晴らしいものであった。何と言っても音楽が脈動し、ダイナミックに生き生きと表現されていた。
時代様式を考慮し、藤家作品等と比べて音色の変化を押さえ気味にし、時折硬い音を織り交ぜつつ終始たっぷりとした芯のある艶やかな音を使って演奏された。
このような素晴らしい演奏を聴くと、また聴きたくなる。


あっそうそう、バッハの冒頭プレリュードの終盤の盛り上がる少し前あたりで、”ブチッ”と言う大きな音と共に5弦が切れる(外れる?)と言うアクシデントがありました。

切れた弦がプラプラとぶら下がった状態になり、演奏の邪魔をしたためか多少音が乱れましたが、その後は、さすが山下さん。弦が切れても何事も無かったかのようにプレリュードを最後まで弾き切ってしまいました。
そして、少し困った顔をしましたが、一礼をして舞台袖に引っこみ、5分程して再登場して、もう一度プレリュードから演奏し、終曲まで弾きました。


この日一番の盛大な拍手に応えて、アンコールは2回。
1曲目は曲名不明の初めて聴く曲、2回目はソルの有名なセゴビアナンバー14番の練習曲。この素朴な練習曲が、山下さんの手にかかると、魔法のように芸術作品に変わります。しかし、あちこちで独自にリピートを繰り返していたので、7~8分の大曲になっていましたが(笑)。
その音の美しさと音楽性溢れる表現力と言ったら、もう例えようがありません。余りの素晴らしさに、私の知り合いの女性の方がこの練習曲を聞いて感動して涙を流していました。


今回の山下さんの演奏を聴いて、初めて発見した事がありました。演奏中に左足を足台から下して、床に置いて演奏していたのです。
その時のギターの構え方は、まるで山田岳さんのようでした。両足の太ももでギターを挟み、ギターをかなり立てて構えて数分演奏していました。しばらくすると、おもむろに左足を足台に戻し、元の普通の構えに戻って演奏を続けたりしていました。

椅子からお尻を浮かせて立ち上がったような姿勢で弾いたり、ギターを体から遠く離して宙に浮かせたりお客さんの方向に向けたり、と楽器を自分の体の一部のように自在に操りながら演奏するのは、これまで通りでした。

終演後主催者の方に聞いたところ、会場のキャパ約650名に対し、お客さんは約450名来場とのことでした。
千葉でも中心都市では無い佐倉市でこの集客力は、さすが山下さんならでは、というところかと思います。盛会で安心しました。



ここで、私の山下体験を少し書いておこう。ちなみに私は山下さんの1年(学年は2年)後輩で、デビュー当時からの追っかけです(笑)。

山下さんと言えば1977年にスペイン、イタリア、フランスの世界3大国際ギターコンクールにおいて、全て史上最年少の16歳で優勝するという快挙を達成し、天才少年として一躍音楽界に登場し、その名を世界中に轟かせた。ギター界にまさに彗星のごとく本物のスターが登場した瞬間だった。

その快挙の直後に録音されたデビューLP(当時はCDはまだ無い)で聴いたソルのグランソロや、ブリテンのノクターナルなどの快演・名演は、天才の音楽を感じさせた。同じ頃、同世代の渋谷環さんも華々しくデビューし、男女の若いスターの誕生にギター界は大いに湧いた。

それから3年後の19歳の時に発表されたムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」では、全曲自ら編曲しギター1本で弾くというまさに驚天動地の偉業を成し遂げた。
楽器としてのギターの限界や常識を打ち破り、極限を極めたその演奏は世界のギター界に衝撃を与え、ギター音楽史のエポックとして長く語り継がれる”事件”となった。この事は個人的には、セゴビアのシャコンヌの編曲演奏にも匹敵する歴史的偉業だと思う。


世界3大コンクール制覇に加え、展覧会の絵の衝撃によって、当時の新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等での山下さんの扱いは破格のものであったと記憶している。
TVやラジオの音楽番組への出演はもちろん、日本中の主要オーケストラとの共演や、世界的な演奏家との共演などもこれまでのギター界の枠を完全に超えていた。
展覧会の絵のレコードはギター界のみならず、クラシック音楽界全体のチャートで売り上げトップを取るという快挙も達成していたように記憶している。
これは今をときめく村治佳織さんでも達成していないのではないだろうか。

その破竹の勢いは、当時のギター界の第一人者で3羽ガラスとして活躍していた荘村清志さん、渡辺範彦さん、芳志土戸幹雄さんらから、完全に主役の座を奪っていた。
その数年後に登場する福田進一さんが徐々に勢力を拡大し、主役の座が次第に移って行き、山下さんは修道僧のように一人我が道を行く”孤高の人”という感じになって行ったのは皆さんご存知の通り。


私が初めて山下さんの演奏を聴いたのは、確か1981年頃に開催されたあの伝説の「展覧会の絵」全国ツアーの沖縄公演であった。
もう今から約30年前の事になるが、当時の衝撃と強烈な印象が未だに頭から離れない。
その衝撃の大きさは、ヴァイオリンの奇才で知られるパガニーニの演奏を初めて聴いた時に匹敵する衝撃の大きさではないだろうか、という話もあるほどである。

長くなりそうなのでこの辺でペンを置くが(笑)、山下さんの足跡は詳しくはwikiで(笑)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E5%92%8C%E4%BB%81



【山下和仁ギター・リサイタル概要】
日時:12月18日(日)午後2時開演 A:3500 B:3000円 学生2000円
会場:千葉県佐倉市民音楽ホール

<プログラム>
【第1部】
・ギターソナタ第1番「青い花」(藤家溪子)

【第2部】
・アメイジング・グレイス(スコットランド民謡/藤家渓子編)
・愛の挨拶(E.エルガー/山下光鶴編曲)
・寂夜(藤家渓子)
・無伴奏チェロ組曲第1番BWV1007(J.S.バッハ/山下和仁編曲)

【アンコール】
・曲名不明の小品(ゆったりとした美しい曲)
・練習曲第14番(ソル)


【コンサートチラシのPDFファイル】
http://www.city.sakura.lg.jp/onhole/pdf/2011/syusai/yamashita/yamashita.PDF

<山下和仁プロフィール>
1976年、日本ギター連盟主催の全国コンクール(現・東京国際ギターコンクール)に優勝。
翌1977年、16歳の時にラミレス国際ギターコンクール(スペイン)、アレッサンドリア国際ギターコンクール(イタリア)、パリ国際ギターコンクール(フランス)の世界三大ギターコンクールに、いずれも史上最年少優勝という快挙をなし遂げ、世界的に注目を浴びました。
1981年の自編『展覧会の絵』(ドイツ・レコード賞受賞)、1987年の『新世界交響曲』全曲などの次々と話題となる録音を発表。
とりわけ、1989-91年にJ・S・バッハの『無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ』、『無伴奏チェロ組曲』、『リュート組曲』全曲を連続して録音したシリーズは特に名高く、特殊な技法も併せて前人未踏の域を示しました。
ソロ活動の他、ジェームス・ゴールウェイ、ヴォルフガング・シュルツ、東京クヮルテットをはじめとする名手たちとの共演でも注目を集めました。



【12/26追記】
不明だったアンコールの1曲目は、ソルの練習曲Op.31の23番との事です。
千葉ソロの公式ブログに、hsさんが情報をコメントして下さいました。ありがとうございました!

スポンサーサイト

テーマ : ギター
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

アンコールの曲

よかったですね。山下さんの演奏。
アンコールの一曲目はソルの練習曲OP31の23番でしたね。

ありがとうございます。

>hsさん

曲目の紹介ありがとうございました。
アンコールは2曲ともソルの練習曲という事になりますね。
素晴らしい演奏でしたが、昔からのファンとしては、展覧会の絵なども再演して欲しいですよね。
プロフィール

NAO

Author:NAO

FC2カウンター
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
FC2拍手記事別ランキング
ブロとも一覧
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
QRコード
QRコード
FC2アフィリエイト
ブログ ホームページ アフィリエイト・SEO対策
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。